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小説

まっ赤に燃えるゴリラ

シリアスさを欠いた三角関係からまっ赤に燃えるゴリラはやがて故郷に帰る。

多くの片岡作品がそうであったように、出会いは路上。
そこにはオートバイがあり、19歳の少年がいる。
年上の女がリードする。女はその筋の男の「イロ」でもある。
初夏から秋にかけての時間の流れの中で
社会から、学校からはみ出し、嫉妬を土台とした堅固な三角関係に
ならない三人は、やがて二手に別れることになる。
三人のあいだには、不思議な好意と信頼がある。
さあ、ここからはそれぞれの時間だ。
ゴリラはカタギになる。まっかに燃えている。