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小説

写真集に向かって歩く

彼と過ごすこと、撮ること、外出すること

29歳の女性がいる。女優だ。訪ねてきた男性とベッドで過ごし、男性が帰る際はキチンと服を着て見送り、見送った後は自分も外出する。それがルールだが、もう一つ大事な行為がある。撮影だ。彼女は25歳から自分を撮り続け、30歳になったら写真集にまとめようとしている。ところで、彼女が外出して赴く先に、あるバーがある。この短篇のほかに「八月の上半身」「思い出の十二号埠頭」など『人生模様』に収録された短篇はどれも連作短篇としてそのバーと、登場人物の絶妙の重複がある。併読をおすすめしたい。

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