VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

小説

汽車に手を振った少女の物語

やってきては去っていく汽車に手を振ることで輝く一生がある。

サザン・パシフィック鉄道の定期貨物列車で働く男たちは
タフで、ユーモアを解し、人に温かく
そしてみな、クッキーが大好物だ。
貴重な荷物を運んでくる彼らには、小さな小屋に住む2人の女性から
とっておきのクッキーと熱いコーヒーがふるまわれるはずだ。
彼らもまた、彼女たちとは仕事の域を超えた付き合いがある。
去り行く汽車に手を振る、そのシンプルで嘘のないふるまいが
人の一生の長さをそのまま祝福し、手を振る側も振られる側も
等しく幸福の中にある。

このエントリーをはてなブックマークに追加