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評論・エッセイ

犬にでもくれてやれ

この作品は、『日本語の外へ』「第1部 アメリカ──湾岸戦争を観察した」
に収録されたものです。
 クエートという国は、イギリスの都合によって、あるときいきなり作られた。都合とは、中東に対するイラクの影響力を削ぐことだ。イラクにとっての障害物として、イギリスは勝手に線を引いて、クエートを作った。一九二一年のことだ。同族経営の石油会社、という内容の国だ。自由や民主という観点から言うなら、現在でもこの国は箸にも棒にもかからない。
 中東の石油はヨーロッパによって支配されてきた。中心であったイギリスに…

底本:『日本語の外へ』角川文庫 2003年
『日本語の外へ』筑摩書房 1997年

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