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小説

煙草に火をつけて終わる

いつもそこには煙草とシャツがある

タイトルには「煙草」とあるが
このシンプル極まりない短篇のもう一つの主役はシャツだ。
普段は吸わない煙草なのに、
フランス土産でもらった煙草がバッグの中にある、という状況。
そして、男物のシャツを、男も女も着て、
それが次々に別の人物の手に渡っていく、という状況。
シャツにはきっと、煙草の匂いがつきやすいだろう。
しかし、煙草は吸いたい時に吸えばいいし、
シャツは所有者が問題ではなく、好きだから着る、
ただそれだけでいいのだ。

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