VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

評論・エッセイ

アメリカの正義が勝つ

 いまのアメリカで出版されているペーパーバックは、どれもみなよく似たつまらない装丁ばかりで、出版社ごとの装丁の特徴や方針などは、皆無に等しい。
 一九六〇年代いっぱいくらいまでのペーパーバックには、銘柄別にデザインの特徴がはっきりとあった。なんという銘柄なのか、ひと目でわかった。

 ここにあるのは、ゴールド・メダルというペーパーバック叢書のなかの、西部劇小説だ。西部劇という言葉はもはや死語に近いかと思うが、日本の時代劇に相当する西部劇映画が盛んに製作されて公開され、なおかつペーパーバックの世…