なにげなく読んだ小説のなかに、自分自身を発見する喜びと驚き。なぜこの主人公は自分なのか
僕はついにみつけた。会ったこともないアメリカの人が書いた小説のなかに、僕は自分自身を見つけた。二、三年まえに読んだシオドーア・ウィーズナーの『自動車泥棒』の主人公は、僕だった。人生のほぼなかばにして、僕は小説のなかにはじめて自分を発見した。
主人公の生いたちや生活環境、家族関係など、いっさいが僕の場合とは完全に異なっている。共通するところはなにひとつない。しかし、主人公は僕なのだ。身につまされるとか、その気持ちはよくわかるとか、あるいは人ごととは思えないほどの強い共感を覚える、といったような次元とはまるでちがう次元で…
底本:片岡義男エッセイ・コレクション『本を読む人』太田出版 1995年
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