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評論・エッセイ

ドル安・円高の方向とは

二〇〇三年十一月七日(*日付については、「まえがき」参照)
 製品を作ってそれを外国へ輸出し販売する。代金を回収する。製品を作るのにかかった直接・間接のコストすべてを引いた残りが、ごく単純には、その製品を作って売った企業の儲けとなる。そしてそのあと、輸出には為替市場が介在するから、回収した代金がそのときの相場でいくらになるか、という問題が発生する。
 一億ドルの回収があったとする。一ドルが百十円の相場なら、円に替えると百十億円になるが、相場が円安で動いていて十円の円安となり、一ドルが百二十円の相場で一億ドル…

底本:『影の外に出る──日本、アメリカ、戦後の分岐点』NHK出版 二〇〇四年

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