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小説

胸は痛まない

昔話、作り話、嘘の話。しかしそこにも真実があるらしい

長く語ることのできる人、というのがいる。
この小説には2人、そういう人物が出てくる。
しかもその2人の2つの話はとてもよく似ている。
なぜなら、それはカウンターという、不特定多数が共有する匿名空間で
ふと耳にした会話を反芻し、変奏したものだからだ。
読者は微妙にズレたその反復を楽しむ。
ひどいじゃないか、嘘じゃないかと思ってもかまわないのだが、
聞いている人物に感銘を与えるほどの「真実」もまた、
そこには宿っているらしい。

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