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小説

人生は野菜スープ

友人でも恋人でもない、相棒という得難い関係性の、風のような成り行き。

ボーイ・ミーツ・ガール。はじまりは映画館。
女はロビーの長椅子に座り、男は眠りこけていたのが目覚めたばかり。スクリーンを凝視していない2人は、映画館は映画を観るところ、という思い込みから自由だ。
友人や恋人のように重力の中で生きない、ただ風の中で生きる、相棒として。新宿で。富浦で。
大切なのは、自分たちが何者で、これからどうするかではなく、例えば変形して痛みの伴う足を、ビー玉を使ってラクにしてやれる技術だ。

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