熟睡する女性の一例
熟睡できることは力だ
不思議なタイトルの短篇であり、様々に解釈できそうなストーリーだ。
片岡義男の小説群は、美人しか登場しない、
というおそるべき特質を備えているが、
彼女たちがことごとく警戒心を欠いている、
というのも共通した特質である。
ここに登場する女性もまた、
遊んだのでも遊ばれたのでもなく、執着はなく
しかし電話をしよう、という意志があり
といってわだかまりがあるわけでもない、という
そのバランス、その強さが、彼女の熟睡に現れている。
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