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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

そしてその他の物語 第13回

 アメリカの写真家、ウィリアム・ユジーン・スミスがピッツバーグを被写体にして大量の写真を撮影した話は、かつてどこかで読んで僕は知っていた。しかしその写真はこれまでおそらく一枚も見ていない。W・ユジーン・スミスのピッツバーグ・プロジェクト、という呼び名で知られるこの大量の写真のなかからごく一部分が、二〇〇二年と三年のアメリカで、写真展として公開された。それに合わせて、『ドリーム・ストリート』と題した一冊の写真集も、出版された。東京の書店の洋書売り場で、僕はその写真集を、店頭遭遇という偶然によって手に入れることが出来た。
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『Free & Easy』二〇一一年七月号

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