ここにあるこのウオーター・バッグに、ぼくはすでに小さからぬ愛着を抱いている。半透明のビニールでできた、箱と袋のちょうど中間のような感触の、ウオーター・バッグだ。カナダのウィニペグにあるという、リライアンス・プロダクツ社製の、社名のとおり信頼するに足る、愛すべき製品だ。

　容量は、10リットルだ。水をいっぱいに注入して取手を持って運ぼうとすると、たちまち裂けてしまうのではないかという印象を持つ人が多いが、そんなことはない。裂けない。非常にタフだ。
　本来の目的は、ウオーター・バッグだ。たとえ…

『BE-PAL』一九八三年七月号