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評論・エッセイ

ロンサム・ジョッキー 26 物語は夏休みの暑い日に始まった

トリップ・カウンター・ブルース

 夏休みがはじまったばかりの、気持よく晴れた暑い日だった。
 落ちこぼれの高校3年生、ヒロシは今日も朝からオートバイに乗っていた。
 学校の勉強なんかぜんぜんできなくなってしまっていた彼にとって、ただひとつ打ちこめるのは、オートバイだった。
 彼のオートバイは、500㏄。2気筒なのだが、マルチなみに吹きあがる、走り屋のオートバイだった。うかうかしていると、すぐにスピード違反でつかまってしまう。
 500㏄にしては小柄でスリムな車体…

『ミスター・バイク』一九七八年七月号

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