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評論・エッセイ

片岡義男のアメリカノロジー アン・ランダースの処方せん。

 昼すぎから雪になり、夜のあいだずっと降りつづいて明くる朝にはすくなくとも数センチはつもっているはずだ、という予報が出ていた日の午後、まず雨が降りはじめた。
 その雨の午後、東京の洋書店でなつかしい本をみつけ、買ってしまった。
 アン・ランダースという女性が書いた、『アン・ランダースがティーン・エージャーたちにSEXについて語る』というタイトルのペーパーバックだ。全128ページの薄い本なのに、諸物価値上がりのおりから、1ドル95セントもした。
 これは、1965年に、まず最初に世に出た本だ。そして、…

『POPEYE』一九八二年三月二十五日号

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