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評論・エッセイ

作家のすべて教えます 2

 主人公のいない小説、あるいは彼らの影がきわめて薄い小説は可能だが、僕が書く小説のうち、ごく普通に主人公が存在する小説の、その主人公という不思議な人たちについて、ここでは書いてみようと僕は思う。
 主人公とは、少なくとも僕にとっては、ストーリーのなかにいて、そのストーリーを前にむけて運んでいってくれる人たちだ。彼らはストーリー展開というものを一身に体現する人たちであり、その意味では主人公とはストーリーそのものなのだと言っていい。
 では、ストーリーとは、いったい何だろうか。ストーリーとは、僕の理解のしかたによれ…

『月刊オーパス』一九九三年六月号

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