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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

サウンドスケープを歩く 6

 一九七四年から十三年にわたって、FM局の週に一度の二時間番組の進行役を僕は務めた。会話と音楽がほぼ半々だったから、音楽は一時間分が必要だった。自分で持っているLPから僕が選曲していた。会話がひとしきり続くと音楽になる。曲名を告げたあと、三曲から四曲をワン・ブロックとして続けてかけていた。毎回、二十曲は選んでおく必要があった。前半の七、八年は、あらためて聴かなくてもよく知っている曲を、LPの裏の曲名を見ながら選んでいた。
 後半になるとそうもいかず、二十枚ほどのLPを聴いてはそのなかから選ぶことになった。
 次…

『Coyote』No.21 二〇〇七年十月号

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