どうぞお入り、外は雨
これからはひとりになるのだから、彼女は路線バスを選んだ。
18歳。未成年ではあるが、車の運転は可能な
大人への入り口に立った年齢だ。
ある雨の夜、2人の18歳には、楽しい偶然があった。
同じような環境に暮らす2人は心を許しあった。
やがて彼女のほうの生活環境は、新たな次元に入る。
彼女はほんとうに1人になるのだ。
また別の雨の夜。今度は彼女は、もう1人の18歳には頼らない。
1人で路線バスを選んだ。ただし、彼にはしっかり手を振りながら。
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