個人的な絵葉書における、写真と民主主義の関係
『燃える大平原と紙でつくった月』のような本は、たっぷりと時間があるときには、ほんとにいいものだ。この本のなかには一九〇〇年から一九二〇年にかけてのアメリカ各地で作られて使用された絵葉書が二百ページちかい分量のなかに、どっさりと収録してある。その写真絵葉書のひとつひとつをながめていくとたいへんに面白く、じっくりとながめないことにはこのような本は楽しむことが出来ず、したがって、時間が充分にあるときには、ほんとうにいい。
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底本:片岡義男エッセイ・コレクション『なぜ写真集が好きか』太田出版 1995年
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