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評論・エッセイ

紅い着物はなぜ射たれたか

『ザ・クリムゾン・キモノ』という劇映画をコロムビア・ピクチャーズが製作・公開したのは、確か一九五八年のことだったと思う。白黒スタンダード画面による一時間三十分ほどの、昔のひと言で言うならスリラーだろう。脚本と監督はサミュエル・フラーで、撮影監督はサム・リーヴィット、そして全編にわたる音楽を作曲し、コロムビアのスタジオ・オーケストラが演奏するときに指揮したのは、ハリー・スークマンだった。
『ザ・クリムゾン・キモノ』の主題曲としての旋律は、スークマンの『コマンド・パフォーマンス』というタイトルのLPに、「ザ・クリムゾン・キモノ…

底本:『音楽を聴く2──映画。グレン・ミラー。そして神保町の頃』(第一部 ミシシッピー河の鉄橋を列車が渡っていく)東京書籍 二〇〇一年

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