ブルースが聴こえる
ミシシッピー河にかかる鉄橋を、蒸気機関車の牽引する何輛かの客車が越えていく。一九四五年の五月の終わり近く、あるいは六月の初め、という設定の光景だ。河や鉄橋は巧みに作ったディオラマ、そして列車は模型かなと、僕は思った。しかし光景は現実、そして機関車と客車は、この時代に実際にここを走っていたものを使用したという。
この光景に「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」の歌が重なる。歌っているのはパット・スズキではないか! たいへんに雰囲気のある歌いかただ。そのことに起因する大きな効果が、画面ぜんたいに確実に生まれている。どのような効果なのか…
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