VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

評論・エッセイ

スペースでも彼らはカウボーイ

『スペース・カウボーイ』という映画を見た。冗談のような映画だ。百点満点で七十五点、旧タイプの映画、としておこう。冗談のような映画と言うよりも、冗談そのものだ、これは。
 一九五四年にアメリカでヒットした歌に、「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」という歌がある。いまでも歌いつがれていて、すでにスタンダードのような位置にある。日本にもこの歌の好きな人は多い。『スペース・カウボーイ』はこの歌から思いついたものに違いない、と僕は思う。最後にあらわれるクレディットのなかに、「ジョー・ハイアムズにスペシャル・サンクスを」というフレーズが…

底本:『音楽を聴く2──映画。グレン・ミラー。そして神保町の頃』(第一部 ミシシッピー河の鉄橋を列車が渡っていく)東京書籍 二〇〇一年

このエントリーをはてなブックマークに追加