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小説

グッドラックとしか言いようがない 海の絵を描く彼女

「美人が好きだと言ってたでしょう」と、絵里子がきいた。「言ったよ」と、裕司はこたえた。「世のなかって、広いのよ」「わたしがもし美人だとしたら、わたしはようするにひとりの美人であって、ほかにも美人はたくさんいるの」「会いたくない?」と、絵里子は、祐司にきいた。「誰に?」「ほかの美人に」。

底本:『マガジン・ノン』一九八五年六月号

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