VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

MENU

評論・エッセイ

7月1日 フィクション4

カメラは何を被写体に選ぼうと、写されたものは24ミリ×36ミリという二次元に変化してしまう。しかし光源を得たスライド・ヴューアーのレンズ越しに覗いていると、その世界はやがて三次元の空間を獲得し直していく。やがてその空間の中に自分自身も入っていき、撮影当時の状況がまるで昨日のことのように甦ってくる。

底本:『すでに遥か彼方かなた』角川文庫 一九八五年

このエントリーをはてなブックマークに追加