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評論・エッセイ

塔の上ではためく旗の音

ジョルジョ・デ・キリコという画家、そして彼の描いた絵について、ほとんどの人がなにも知らないことを、ぼくは残念に思う。彼の絵の中に登場する塔に、ぼくは大きな影響を受けている。そしてその塔の頂上、あるいは建物のてっぺんの端のほうではためいている、細長い三角の旗は、ぼく自身ではないかとすら、ぼくは思う。

底本:片岡義男エッセイ・コレクション『なぜ写真集が好きか』太田出版 一九九五年

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