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片岡義男.com 全著作電子化計画

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小説

愛の基礎としての会話

「私は」と「私も」

片岡義男の小説にはしばしば作家が登場し、
今まさに思いついたストーリーを
目の前の相手(作家はたいてい男で相手は女だ)に向かって
語ることで成立している作品群がある。
ここでの女性は金髪で青い瞳のアメリカ人女性だ。
彼女は、日本語が日本人に無意識のうちにもたらしているものを
分析した本を書こうとしている。
日本語と英語をめぐる二人の批評的な会話の中で
彼は彼女が放った「私は」を「私も」に変更することを要求する。
それは信頼関係に…

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