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小説

酔いざめの三軒茶屋

落語の「黄金餅」のように世田谷を巡る物語

現代の東京ローカル小説を集めた短編集『ミッキーは谷中で六時三十分』収録のこの小説は、世田谷の夜についての物語です。フリーランスの料理人である北野麻紀子が、下北沢で偶然、友人の翻訳家に出会い、一緒に入った喫茶店で、翻訳家の知人の編集者と作家に出会い、男女四人で祖師谷大蔵のカレー店へ。そこで当然のようにウルトラマンの話になり、手塚治虫の話に至ります。彼らと別れた麻紀子は、ひとり豪徳寺から世田谷線で三軒茶屋へ帰り、古い喫茶店から馴染みのバーへと向かいまず。まるで落語の「黄金餅」のように世田谷を巡る物語です。

底本:『ミッキーは谷中で六時三十分』講談社 2014年5月
初出:「群像」2013年6月号

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