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片岡義男.com 全著作電子化計画

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評論・エッセイ

やがて、模型たちが語りはじめる 4 忘れえぬフラット4サウンドへの憧憬 手の中で輝く永遠のパーソナルクーペ

 カルマン・ギアを自分のものにした経験がないのを、僕はいまでも残念に思っている。新車で買いたかった。1960年代の半ばのアメリカ西海岸で、2400ドルぐらいだった。コンヴァーチブルの方が少しだけ高かった。クーペとセットで売っていたディーラーがカルフォルニアにあり、2台セットでも5000ドルしなかった。
 ボディの色のひとつにグレーがあり、これがたいへん良い色だった。そして、からし色として記憶している色もあり、これも捨てがたい雰囲気をもっていた。
 タミヤ24分の1スケールのスポーツカーシリーズの中に1966…

『エム・キャッツ』05 二〇〇二年二月

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