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評論・エッセイ

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 ビートルズについて客観的に語ろうとする人は、だいぶすくなくなったようだ。でも、まだ、いるのかな。
 批評の普遍性を頼りにしたうえでの、冷静な評価とか、一般性を持った位置づけなど、あまりおこなわれなくなった。
 そのかわりに、多くの人たちが、いっせいに、ビートルズをまるで我がことのように言いはじめている。現在の自分の立場みたいなものに塗られているペンキの上塗りとして、ビートルズをひっぱりだしてきて、利用しているのだ。なにごとにつけても、いまビートルズをひきあいにだすのは、と…

『別冊FMfan』第11号 一九七六年十月一日

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