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評論・エッセイ

先見日記 空疎な言葉の人とは

 空疎な言葉、という言いかたがある。喋るにせよ書くにせよ、確かな実体の裏づけをなんら伴っていない言葉、というような意味だ。この2、3年、この言いかたをよく目にし耳にする。なぜだろうか、と考えてみたら、いまの日本の総理大臣が原因なのだとわかった。彼が口にする言葉が、空疎な言葉、と評されたことがいったい何度あったことか。
 言葉の裏づけとなり得るほどの確かな実体とは、いったいなにか。正確で深く、しかも範囲の広い知識をもとに、自前で考えて到達した方針や信念あるいは作戦などにもとづき、有効な行動をとってそれを積み重ね、その人の実績…

『先見日記』二〇〇五年四月十二日

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