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評論・エッセイ

片岡義男のぼくのお気に入り道具たち 別れてしまった美しい女性の写真をおさめる

 彼が彼女と知りあう。おたがいに、相手に対して、なにごとかを強く感じあう。したがって、ふたりは、はじめて会ったその瞬間から、かなり親しくなる。しかし、いちおうの手順は、踏まなくてはいけないから、まず知人どうしという関係からスタートし、かなり親しい知人となり、友人どうしとなり、親しい友人となり、ついには、きわめて親しい友人どうし、つまり、恋人どうしとなる。はじめて会ってから、このような関係になるまでに、普通、どのくらいの時間がかかるものだろうか。かかりすぎてもいけない、かからなすぎても、これまたいけない。すこし遅めのほうが、これからは、…

『BE-PAL』一九八五年十二月号

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