片岡義男のぼくのお気に入り道具たち まだ使いみちの決まってない、ぼくのお気に入りのものたち
縦が17センチ、横が11センチ。そして厚さが14ミリ。ぼくの好みとしては、理想的なプロポーションだ。手帳ともノートとも、どちらとも言いがたい、このくらいの大きさのノートブックに、ぼくは惚れやすい。
フランスの、クレール・フォンテーヌというブランドのこのノートブックには、強くひかれるものがある。17センチ×11センチというプロポーションは、ヨーロッパではスタンダードなサイズのうちのひとつだ。このプロポーションが持っている安定感は、ぼくの気持ちがひかれていく理由のひとつにちがいない。14ミリという厚さも、なかなかいい。<…
『BE-PAL』一九八五年十月号