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編集者が語る|エッセイ集『彼らを書く』――僕も彼らを書く

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 片岡義男作品の編集者として3作品を世に送り出した、光文社・篠原恒木さん。ご存知の方も多いと思いますが、片岡義男.comオリジナルのエッセイ作品にも多く登場されています。これまで執筆いただいたメイキング記事では、片岡義男の素顔をチラリと見せてくださり、読者を楽しませるお話が盛りだくさんです。
 今回の特集は、篠原さんが編集された『彼らを書く』で、取り上げられた映像作品について、篠原さん自身の目線で書いていただく連載企画です。


片岡義男篠原さんから送られてきた、動く片岡義男。こういったファンサービスは嬉しいですね。
“マスクをしたままで失礼します。カタオカです。”

第18回『キャッシュさんにお願いされたら』

第18回『キャッシュさんにお願いされたら』

なんてったってジョニー・キャッシュだ。カントリー、ロカビリー、ロック、ゴスペル何でもござれの、アメリカを代表するスーパー・スターの一人である。ジョニー・キャッシュの人生を語るだけで、分厚い一冊の本が出来てしまう。だからここではほんの一例を挙げておこう。
一九五六年十二月四日、ジェリー・リー・ルイスのピアノ演奏によりカール・パーキンスがサン・スタジオで新曲のレコーディング中、ちょうどエルヴィス・プレスリーが当時のガール・フレンドを伴ってスタジオへやって来た。この時キャッシュも偶然サン・スタジオに居合わせていて…… →続きを読む

第17回『ウッドストックでなく、ワイト島』

第17回『ウッドストックでなく、ワイト島』

「ディランさん、ワイト島ですよ、ワイト島。イギリスのワイト島ですよ。そこまでわざわざ行くんですか? たった一回のコンサートのために」
僕は思い切って、一九六九年の初夏、ウッドストックに住んでいるボブ・ディランを訪ねて、そう訊いた。
「うん」
「失礼ですが、あなたはここウッドストックにお住まいですよね?」
「そうだよ」
「そのウッドストックで、愛と平和の祭典とも呼ばれる大規模コンサートが、もうすぐ、八月十五日から十八日にかけて開催されるんですよ。フェスティヴァル会場は、あなたのお住まいの近所じゃないですか」
「だから?」
「なぜ、それに出演しないんですか? 会場はすぐそこなんですから、ちょっと顔を出して数曲歌っていただければ済む話ですよ。なぜそれを蹴って、八月三十日から三十一日の日程で行なわれるワイト島フェスティヴァルに出演するなんて言い出すんですか?」…… →続きを読む

第16回『ディランは変わる』

第16回『ディランは変わる』

ボブ・ディラン四枚めのアルバムAnother Side of Bob Dylanから、すでにその萌芽は見られたが、Bringing It All Back Home、そしてHighway 61 Revisitedで完全にディランはフォーク、プロテスト、トピカル・ソングという枠から外へ出た。バンドを率いて大音量で演奏するコンサート・ツアーを続けた。とりわけイギリスでは激しいブーイングを浴びながら、疲弊、抑圧、それを紛らわすためのドラッグを伴う旅公演をなんとかやり遂げ、一九六六年の六月に、彼はニューヨークへ戻った。ちょうどリリースされたばかりの二枚組のアルバムBlonde on Blondeで、ディランのバンド・サウンドはすでに頂点に達していたと思う。二カ月後の八月には、あの…… →続きを読む

過去の連載

第15回 ディランはつらいよ第14回 ジョーン・バエズの後ろ姿第13回 それは俺じゃないよ第12回 昔も今も「家路なし」第11回 こんな人がいたなんて第10回 ビートルズと私第9回 エンディングでは絶叫しなかった第8回 アメリカン・ラプソディ第7回 「裏打ち」は難しい第6回 そんな日が来るとは思えない第5回 どこで間違えたのか第4回 聞こえてないよね?第3回 その前に、ちょっとこちらを第2回 成功に酔いしれる4人の無邪気さ第1回 イントロダクション

執筆者
担当編集者 篠原恒木さん篠原恒木さん :
Twitterアカウント @JJshinohara
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2020年4月22日刊行! 『彼らを書く』

『彼らを書く』光文社

“このように書かれた「彼ら」を読むのは初めてだ。圧倒された。” 
細野晴臣氏(音楽家)
採り上げられた映像作品は全部で31作品。有名な『A HARD DAY’S NIGHT』や『HELP!』などが含まれていない「カタオカ・チョイス」にも、ファンの深読みがすでに始まっている。ディラン再来日、そして9月公開予定のザ・ビートルズ映画『GET BACK』を心待ちにしながら読み進めるのには最適の一冊。

【単行本】光文社|定価:本体2,000円+税|256頁


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小説『ビートルズを撮った』
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エッセイ『珈琲が呼ぶ』
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2020年5月21日 00:00