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読んでんで『ピーナッツ』

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1950年10月2日、アメリカの新聞7紙で連載がスタートしたコミック『ピーナッツ』。今や世界中で愛されているチャールズ・M・シュルツ(1922ー2000)によるこの作品は、今年(2020年)が連載開始70周年の記念の年にあたります。日本でも昨年末から『完全版 ピーナッツ全集 スヌーピー1950~2000』という全25巻に及ぶ作品集が順次発売されており、今年はチャーリー・ブラウンやスヌーピーとともに『ピーナッツ』の仲間も脚光を浴びそうです。
子供の頃からアメリカ文化と身近に接していた片岡義男も、実は大の『ピーナッツ』ファンであり、いくつかの関連本やエッセイに文章を書いています。今回のエッセイ特集では、そんな『ピーナッツ』愛あふれる作品のいくつかをお届けします。


長いつきあいはまだ続く

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長いつきあいはまだ続く
片岡義男が最初に『ピーナッツ』と出会ったのは子供の頃。そして、最も頻繁に読んだのは、フリーランスのライターとして多忙だった20代半ば、喫茶店の片隅で原稿を書いていた頃だそうです。そして最近になって、自身が書いている短編小説は、『ピーナッツ』のコミックから「実に大きくしかも深い影響を受けている」という発見をします。その共通点とは?


スヌーピーと旅したアメリカ6000マイル

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スヌーピーと旅したアメリカ6000マイル
『ピーナッツ』のキャラクターで、日本での一番人気は何と言ってもスヌーピー。日本のライセンス会社によると、1年間に発売されるグッズは推計一万点だそうです。デザイン的にもシンプルなところが人気の秘密かもしれません。「ふつう、人形と名のつくいっさいのものに興味を持たない」という片岡義男ですが、実は4、5歳の男の子と同じくらいの大きさのスヌーピーと、アメリカを横断したことがあるそうです。


「ザ・コンプリート ピーナッツ」

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「ザ・コンプリート ピーナッツ」
日本でも谷川俊太郎さんの新訳で昨年から発売となった『完全版 ピーナッツ全集 スヌーピー1950~2000』。その原書タイトルが『THE COMPLETE PEANUTS』(ザ・コンプリート ピーナッツ)です。このエッセイでは、コンプリートコレクションに対する「偏愛」とも言うべき深い愛情と、大学時代にチャーリー・ブラウンへの共感が高じた末に取った「ある行動」について語っています。


「過去の栄光にひたる」を英語で言えますか?

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「過去の栄光にひたる」を英語で言えますか?
「カタオカさんに英語を教えたのは誰ですか、ともし訊かれたなら、それはチャーリー・ブラウンです、と答えたいほどだ」
『ピーナッツ』は片岡義男にとって「英語の先生」でもあったようです。それは必ずしも学校で習った、あるいは正しい英文法に沿ったものではないかもしれません。しかし、チャーリー・ブラウンをはじめとする登場人物の台詞は、実にその人らしい言葉にあふれています。日々の日課として『完全版 ピーナッツ全集』を、当時の新聞連載マンガを読むように毎日一篇づつ読めば、それは立派な英語の勉強になるかもしれません。


あの夏、僕はチャーリー・ブラウンと同じ服を着てすごした

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あの夏、僕はチャーリー・ブラウンと同じ服を着てすごした
「ザ・コンプリート ピーナッツ」でも触れられていた「立て襟で、黒いジグザグ模様の入った」チャーリー・ブラウンのポロ・シャツ。大学生時代のある夏、オフィシャル商品としては見つからなかったこのシャツを、近所の洋裁を学んでいた女性に頼んで作ってもらい、着用までの顛末と、その後の物語が語られます。


チャーリーが作ってルーシーが食べる

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チャーリーが作ってルーシーが食べる
ある日、ルーシーがチャーリー・ブラウンにこう言います。
「ブレッド・アンド・バター・サンドイッチを作ってちょうだい」。
バターをブレッド(パン)に塗るところまではよいでしょう。では、そのブレッドをどうやって「サンドイッチ」にするのか? この時、ルーシーが採った方法は、実は片岡義男が子供の頃から実践していた「ある方法」と同じなのだそうですが、そのメリットとは……?


大人になっても手放せないものはありますか?

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大人になっても手放せないものはありますか?
『ピーナッツ』の登場人物はみな個性的ですが、その中の一人、ライナス(ルーシーの弟)は、常に毛布を肌身離さず持っています。この毛布は「安心毛布(security blanket)」と呼ばれており、「常に手元に置いておくことで安心できるもの」を指します。心理学の分野ではイギリスの精神分析医ドナルド・ウィニコットが提唱した「移行対象」と呼ばれる概念としても知られています。”security blanket”は英語ではしばしば用いられる言葉のようですが、そんな毛布、きっと誰もが1枚は持っているのではないでしょうか。


スヌーピーはハウンド・ドッグだった

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スヌーピーはハウンド・ドッグだった
チャーリー・ブラウンと並んで『ピーナッツ』のもう一人(一匹)の主人公ともいえる、スヌーピーのモデルとなった犬種をご存じですか? いつも小屋の屋根に寝そべっている姿からは想像もつきませんが、実は「ビーグル」というハウンド・ドッグ(猟犬)の仲間で、イギリスではウサギ狩りなどに集団で使われていたそうです。そして「ハウンド・ドッグ」と言えば1956年にエルヴィス・プレスリーが発表し大ヒットした曲。『これがアメリカだよ、チャーリー・ブラウン』という、『ピーナッツ』のメンバーが登場するビデオシリーズには、シュローダーやルーシーの語りでアメリカの音楽史を追体験する『アメリカの音楽とヒーローたち』というタイトルの作品がありますが、この中には「ハウンド・ドッグ」をスヌーピーが歌うという珍しいシーンがあるそうです。

 なお、現在河出書房新社から発売中の『完全版 ピーナッツ全集』の第19巻付録「月報」の「『ピーナッツ』を語る」のコーナーでも、片岡義男が「一生もののつきあい」と題したエッセイを書いています。こちらもどうぞお読みください。

2020年2月21日 00:00