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「がんばる」とは、なにだったか
「がんばれ」「がんばって」と、いろんな人から自分は言われる。外部から届いて来るこの言葉を、自分という人は受けとめる。受けとめた度合いがある程度以上になると、そうか、自分はがんばるのか、と思い始める。さまざまな人たちから受…
[エッセイ]  2017年8月1日 00:00
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モノクロームはニューヨークの実力
 アンドリアス・フェイニンガーが自ら編集した写真集『一九四〇年代のニューヨーク』は、ぼくにとっては一機の非常にすぐれた出来ばえのタイム・マシーンだ。一九四〇年代という時間はとっくに過ぎ去ってもうないし、現在のニューヨーク…
[エッセイ]  2017年7月26日 00:00
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ミッキーマウス・カントリー
 ミッキー・マウスの帽子をぼくはまだ持っている。ずいぶん昔に買った帽子だ。なにしろディズニー・ランドが開園してまだ六年ぐらいしかたっていないころ、ディズニー・ランドのギフト・ショップで買ったのだから。  この帽子は、じつ…
[エッセイ]  2017年7月11日 00:00
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内省のアクア・マリーン
 目を覚ます直前、ほんの一瞬、水のなかに浮かんでいる感覚がある。その感覚のなかを自分は上昇していく。水のなかからその外へと、自分は出ていきそうになる。だから水のなかへ自分を戻そうとして体に力を込めると、そのとき目が覚める…
[エッセイ]  2017年7月10日 00:00
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ドル安・円高の方向とは
 製品を作ってそれを外国へ輸出し販売する。代金を回収する。製品を作るのにかかった直接・間接のコストすべてを引いた残りが、ごく単純には、その製品を作って売った企業の儲けとなる。そしてそのあと、輸出には為替市場が介在するから…
[エッセイ]  2017年7月5日 00:00
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会社で学んだこと
 会社に就職するとどうなるのかという僕の好奇心に、わずか三か月ではあったけれど、会社は充分に答えてくれた。会社に入って最初にわかったのは、ただの新卒はほとんど人ではない、ということだった。新卒はまず会社の備品になる。備品…
[エッセイ]  2017年6月30日 00:00
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波止場通りを左に曲がる
 デビューしてまだ間もない頃の美空ひばりを、何点もの写真で見ることができる。多くの写真に彼女は撮られ、それはさまざまな刊行物のなかに複製されている。そのような写真を数多く見ていくと、やがてはっきりわかってくることがひとつ…
[エッセイ]  2017年6月24日 00:00
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思い出のバブル・ガム
 アメリカの駄菓子の記憶としていまも僕のなかでもっとも鮮明なのは、リコリスの味と香りだ。リコリスは甘草(かんそう)と日本語では呼ばれている。ルート・ビアをひと口飲んだとき、うへっ、薬臭い、と顔をしかめる人が日本には多いが…
[エッセイ]  2017年6月11日 00:00
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トマト、胡瓜、豆ご飯、薩摩芋
 自分のところの畑の一角には夏にはトマトが実った。海へいく途中でその畑の近くをとおるなら、寄り道をしてそこへいき、トマトを三つ四つもいで海へ持っていった。熟れる前の緑色の不思議な球体が、半分以上は赤くなっているトマトだっ…
[エッセイ]  2017年5月27日 00:00
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鮎並の句を詠む
 鮎並と書いて、あいなめ、と読むらしい。当て字だろう。電車のなかに吊ってあった清酒の広告で、初めて知った。誰が見ても鮎並に見えるはずの魚が一尾描いてあり、俳句がひとつ添えてあった。鮎並の皮の旨みのじっんわりと。こういう俳…
[エッセイ]  2017年5月11日 00:00
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アイスキャンディ
 アイスキャンディを最初に食べたのはいつだったか。日本という失敗国家が冒した完膚なきまでの大敗戦という失敗の、あの夏ではなかったはずだ。あの夏はあのときすでに峠を越えていたし、アイスキャンディどころではなかったからだ。次…
[エッセイ]  2017年5月9日 00:00
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マヨネーズが変わった日
 ナンシー梅木は本名を梅木美代志といい、一九二九年に小樽で生まれた人だ。占領米軍とのつながりを持った人たちが、戦後の彼女の身辺には何人もいたようだ。彼らを経由してアメリカ兵たちと親しくなり、そこからさらにアメリカ文化へと…
[エッセイ]  2017年5月8日 00:00