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八月二日、軽井沢、快晴
この作品は、『日本語の外へ』「第1部 アメリカ──湾岸戦争を観察した」 に収録されたものです。  その年の夏、七月の終わり、僕は軽井沢にいた。仕事は例によって多忙だった。そうではなくても、軽井沢に本来なら僕はなんの用もな…
[エッセイ]  2018年8月1日 00:00
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大統領が引き受けたこと
この作品は、『日本語の外へ』「第1部 アメリカ──遠近法のなかへ」 に収録されたものです。  一九九五年二月の教書演説でクリントン大統領は、中間層を広げ貧困層を小さくしていくことを、国内における最大の課題として力説した。…
[エッセイ]  2018年7月25日 00:00
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ジープが来た日
この作品は、『日本語の外へ』「第1部 アメリカ──遠近法のなかへ」 に収録されたものです。  猛暑、と新聞もTVも呼んだ日の夕方、ふと入った書店の棚に、『ジープ 太平洋の旅』(ホビージャパン)という本を僕は見つけた。その…
[エッセイ]  2018年7月13日 00:00
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個人主義にもとづく自由と民主の視点
この作品は、『日本語の外へ』「第1部 アメリカ──フリーダムを実行する」 に収録されたものです。 1  アメリカについて自分にはどのようなことが書けるのか。体験を私有物のようにして少しずつ披露するのではなく、紀行文でも旅…
[エッセイ]  2018年7月9日 00:00
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ふたとおりの恐怖がやがてひとつになる
〈書評〉東京大空襲・戦災資料センター監修 山辺昌彦・井上祐子編『東京復興写真集 1945~46  文化社がみた焼跡からの再起』  アメリカ軍による日本全土への空爆が激しさを増していた1944年の秋に僕は東京を逃れて祖父の…
[エッセイ]  2018年6月1日 00:00
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知らなかった東京が浮かび出てくる
〈書評〉佐藤洋一著『米軍が見た東京1945秋  終わりの風景、はじまりの風景』  昭和20年、1945年。8月にはアメリカ軍は広島と長崎に原爆を投下した。それ以前から日本全土への空爆は熾烈をきわめた。攻撃作戦を完遂するに…
[エッセイ]  2018年5月30日 00:00
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姿を隠したままの存在に気づこう
〈書評〉朝日新聞出版編『復刻アサヒグラフ昭和二十年  日本の一番長い年』  とっくに姿を消していまはもうない『アサヒグラフ』は、1923年、大正12年に、驚くべきことに無休の日刊タブロイドとして、創刊された。多くの写真に…
[エッセイ]  2018年5月23日 00:00
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遺構の下には歴史の論理が埋まっている
〈書評〉丸田祥三 写真と文『東京幻風景』 『東京幻風景』という題名のなかにある、幻、というひと文字は、安易にみつくろった言葉のように思えなくもない、と僕は余計な心配をする。幻風景とはどのような意味なのか、著者が「はじめに…
[エッセイ]  2018年5月7日 00:00
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大問題を語り合えない日本語の閉塞感
〈書評〉滝浦真人著『日本語は親しさを伝えられるか』  日本の人たちに深く浸透している出口のない閉塞感について、多くの人が語るのをこの数年しばしば目にする。しかし僕の記憶によれば、おなじような議論は一九六〇年代の初めからあ…
[エッセイ]  2018年4月27日 00:00
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一九六七年の風景に淡い思い出が甦る
〈書評〉加藤嶺夫著『加藤嶺夫写真全集 昭和の東京1 新宿区』  この本に収録されている二百二十七点の写真のうち、時間的にもっとも遠いのは一九六六年に撮影されたもので、現在にいちばん近いのは一九九七年の撮影だ。失われた東京…
[エッセイ]  2018年4月25日 00:00
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十年に一度の面白さと言っておこう
〈書評〉マイク・モラスキー著『呑めば、都 居酒屋の東京』  日本の国立大学で教授として教えている著者のマイク・モラスキーさんは、教職員の健康診断の一部分として病歴や生活習慣などについて自己申告する書類のなかで、「酒の量」…
[エッセイ]  2018年4月20日 00:00
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塩田も遊園地も…絶滅の景色が浮かぶ
〈書評〉今尾恵介著『地図で読む昭和の日本』  明治時代の終わり近くに整備が進み、平成に入っても続いていた日本国家の営みのひとつに、国土地理院が発行している一万分の一縮尺の地形図がある。地形はもちろんそこに記録されているが…
[エッセイ]  2018年4月16日 00:00