アイキャッチ画像
本を三冊買う
 本を三冊買う、という楽しみかたの方針を、現在の僕は確定されたものとして持っている。三冊だと買うときにもっとも楽しい。おそらくそのせいだと思うが、買ってからずっとあとまで、その楽しさは持続する。だから、楽しみかたの方針と…
[エッセイ]  2016年10月4日 05:30
アイキャッチ画像
大統領を鑑賞する
 アメリカのTVニュースを見ていて接することの出来るレーガン大統領、あるいは彼のイメージについて、書いてみよう。  ある種の強い魅力が、彼にはかつてあったことは確かだ。父親的な魅力だろうか。父親そのものではなく、もっとも…
[エッセイ]  2016年10月3日 05:30
アイキャッチ画像
やがて隠者になるのか
 二十代前半の頃には、どこで誰と会っても、誰と仕事をしても、そのときそこに集まった何人かの人たちのなかで、いちばん若いのは常に僕だった。 「きみはいくつなんだ」 「二十四歳です」 「なぜそんなに若いんだ、馬鹿野郎」  と…
[エッセイ]  2016年9月21日 05:30
アイキャッチ画像
なぜいま僕はここにいるのだろうか
 尾道は三度めだ。最初は僕が六歳か七歳の頃、父親の運転する米軍の車で通り抜けた。敗戦後まだ日の浅い時期だ。夏の暑い日だった。二度めは三年まえ、ある雑誌の連載記事の取材のため、編集者そして写真家とともに、坂の町と誰もが言う…
[エッセイ]  2016年9月17日 05:30
アイキャッチ画像
電車の中で食べました
 都内ターミナル駅の広くて複雑なコンコース。多数の人がいろんな方向へ常にいきかう平日の午後、人どおりがもっとも多い時間。二十代後半、会社勤めのスーツ姿の女性が足もとに鞄を置き四角い大きな柱にもたれてちくわを食べているのを…
[エッセイ]  2016年9月12日 05:30
アイキャッチ画像
歌になにができたか?|エルヴィスから始まった
8 1960―1970 アメリカ 〈2〉 歌になにができたか?  ルイジアナ刑務所から一九四〇年に出所してきたレッドベリは『グッドナイト、アイリーン』をレコードにした。一〇年後に、ザ・ウィーバーズが、おなじ歌でヒット・レ…
[エッセイ]  2016年9月8日 05:30
アイキャッチ画像
蟹に指をはさまれた
 四歳のときに僕は東京から瀬戸内へ移った。初めに住んだのは祖父が作った大きな家だった。二階からは目の前に瀬戸内の海が見え、うしろは裏庭のいきどまりが中国山脈の山裾の、始まりの部分だった。その家の前に川があった。地元の人た…
[エッセイ]  2016年9月4日 05:30
アイキャッチ画像
水鉄砲を買う人
 今年の夏も水鉄砲を買った。拳銃のかたちをした玩具の水鉄砲だ。夏になってから、ひと月ほどあいだを置いて、一丁ずつ。色鮮やかな透明のプラスティック製で、ひとつは現実に存在するオートマティック・ピストルを模した、その意味では…
[エッセイ]  2016年8月21日 05:30
アイキャッチ画像
誰もがリアリズムの外で(2)
 首相と大統領が戦後初の急接近をした直後 に 9.11 があり、それに続いたアフガニスタンとイラクでのアメリカの軍事行動を、テロとの戦争として首相は全面的に支持した。そしてそのことによって、戦後ずっと日米関係のなかに維持…
[エッセイ]  2016年8月10日 05:30
アイキャッチ画像
誰もがリアリズムの外で(1)
 二〇〇三年十二月九日、イラクへ自衛隊を派遣することが閣議決定されたあと、首相は記者会見にのぞんだ。戦場であるイラクへ「実質的には軍隊」である自衛隊を送り出す理由を、この会見で首相は説明しようとした。みずからの信念を首相…
[エッセイ]  2016年8月9日 05:30
アイキャッチ画像
その光を僕も見た
 広島に原爆を投下したアメリカ軍の爆撃機の副操縦士は、その任務に関して、原爆投下を中心に十一ページにわたる簡単なメモのような記録をのこした。『ニューヨーク・タイムズ』の記者に依頼されたからだという。その依頼がなければ、投…
[エッセイ]  2016年8月6日 05:30
アイキャッチ画像
「抵抗勢力」と「バブルの崩壊」
 言葉だけはいたるところで盛んに飛び交い、したがって多くの人たちが使うから自分も使い、使っているうちになんとなくわかったつもりになりながらも、その言葉が具体的になにを指し示し、どのようなことを意味しているのか、正確な実態…
[エッセイ]  2016年7月31日 05:30