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小説

あの雲を追跡する

「入ってきて」と彼女は言った

『夏と少年の短篇』(ハヤカワ文庫)所収の1篇。18歳の少年にとっての、もっとも鮮やかな瞬間を切り取っている。最初は、バッタリと道で遭い、そのままプールへ。2度目は、ちゃんと約束をして海岸へ。少年と少女の輝かしい季節のエピソード。プールでは、まるでそれが自分のものであるかのように少女は少年に向かって何度も(プールへ)「ねえ、入ってきて」と言う。そして海岸では、少女が一度やってみたかったという夢を、あっさり実現させる。完璧な夏は、この小説の中にある。

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