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片岡義男.com 全著作電子化計画

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小説

自分のことが気になって

私ともう一人の私とは、けっして会うことがない

少女小説にして哲学小説。それも高純度の。
少女が「死」に魅入られる物語は世の中にいくつかあるだろう。
しかしここまで理論的に、少女同士の会話を通して
「私」とは何か、「私」が「私」であるとはどういう事態か、
そしてそのことと「死」の関係を考察した小説はそうはないだろう。
大人になり、次第に曇ってゆく眼では見えないものを
彼女たちは見ている。
怖ろしい小説である。

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