VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

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小説

ついていけなかった

ついていかなくてもよくなった二人

スーパーマーケットの中で、バッタリ友人に会う。
ごく日常的な出来事だが、ここでは同じ35歳の男が二人で、しかも偶然の一致があった。
妻から追い出され、今はひとり暮らし、という共通点だ。
二人はスーパーを出て、コーヒーを飲みながら語り合う。
それぞれの別れの原因になったのは
時間と色彩。その決定的な不一致である。
抽象的なようでどこまでも具体的な不一致は、
歩み寄る努力の余地のないものだった。
ごく近い過去として語る男二人の会話には

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