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片岡義男.com 全著作電子化計画

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小説

ソノマの重い赤

短篇小説のアイデアを語り合うことは短篇小説だ

片岡義男の小説にはしばしば小説家や編集者が登場する。
そして、会話の中の言葉やフレーズが、そのまま小説のタイトルに成り得る、
というようなやりとりが描かれたりする。この短篇がまさにそうだ。
男性作家が短篇小説の構想を女性相手に語る。語る内容はまだカタチにはなっていないが
語っている行為、言葉そのものがこの小説である。
読者はその入れ子構造を愉しむ。そしてもちろん、
構想として語られる来るべき小説と、そのアイデアを聞いている女性とは
むろん、密接な関係が…

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