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小説

左右対称

過去と未来がちょうど均等であるとは、いったいどのような状態か?

誕生日が同じ3人の女性が一堂に会する。
誕生日ばかりではない、年齢まで一緒だ。28歳。
しかも彼女たちが落ち合うのは、世間でクリスマス・イヴと呼ばれる日の
前日にあたっており、そこには爽快なまでに男性は不在である。
やがてクリスマスが終わり、年の瀬が終わり、
年があらたまり、いったいどんな気持ちの中にいるのか。
それは、左右が均等である、という気持ちだ。
どちらかが過去。どちらかが未来で、
つまり、現在は完璧な均衡のうちにある。


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