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小説

桔梗が咲いた

ある小説の助走のような小説は、そのままひとつの完璧な小説になった

作家自身が「あとがき」に書いたようなひとつの明確なイメージ、明確だが小説としては何年も結実しなかったイメージの定着がここにはある。
この小説では登場人物の誰もが物語を作ろうとしている。
作ろうとしながら、自分自身にも物語を持っているのは女性たちだ。
1人の男性作家によって彼女たち自身のティーンエイジャーの頃の生きた時間が呼び出され、語られ、しかしその語りの一部にはフィクションも含まれている、という微妙なあり方。
誰もが現実を超えた手の届かない存在に向けて大人になった今の時間を生きる。

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