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小説

ふたとおりの終点

終点を語る4人の男女、未だ終点に至らず。

同じ大学に在籍していた男女4人がステーション・ワゴンで西へ向かう。
やはり同じ大学にいた友人の結婚披露宴に出席するためだ。
社会に出て数年。もはや学生ではないが職場ではまだ中枢まで至らず、宙ぶらりんの時期である。
しかも独身。男2人にとって結婚は自分の問題ではなく1つの話題として話のネタになるばかり。
さっさと手を動かしているのは女のほうだ。
目的地にはまだ着かない。
ふだんはまるで縁のない地方都市の朝の光の中で、よるべない存在として、4人はステーション・ワゴンの…

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