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片岡義男.com 全著作電子化計画

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小説

ダブル ミント

窓から見える灰色の空

完全に対等な、男女の関係がある。
共に過ごす時間は快適で、偽りがなく無理なところが少しもない。
そうした対等の関係が1日のあいだに連続して起こり、女性の側がすべて同一人物であったとしてそこで起こっていることはいったい何か。
何でもない、というのがおそらくこの小説の回答であり、1対1の関係がただ1個ではない、ということがそこにあるだけだ。
窓から空を見る、という行為であたかも自分をニュートラル・ポジションに戻しているかのような主人公の所作に魅了される。

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