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小説

もうひとつラヴ・ソング

彼女が作り、彼が歌うラヴ・ソング

この短篇のすばらしさは、タイトルに集約されている。
「もう一つのラヴ・ソング」ではなく「もうひとつラヴ・ソング」。
「の」を抜くことによって、一つのラヴ・ソングのことだけでなく、
人が生きているこの世界すべてが小説の対象になった。
思いがけない形で遺されたラヴ・ソングを思いがけない人物が歌うことになり、
それを家族が聴いている。読者が聴いている。
この世界が聴いている。

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