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小説

ホテル・ルーム2

彼女の待つ仕方について

この、ごく短い短篇小説の中で起きていることは何だろう?
彼女は男に何度も電話をする。
男は仕事で拘束され、自由の身になれない。
女は待つ。長い時間、待っている。
しかしそれは辛抱強さやけなげさ、逆に意地になった感情などとは無縁の、彼女なりの待ち方だ。
ことによると他人は、それを「待っている」とは認めないかもしれない。
そもそも彼女は、待ってなどいないのかもしれない。
ここで起きていることはいったい何か。
「ホテルルーム1」との併読をオススメ…

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