VOYAGER

片岡義男.com 全著作電子化計画

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小説

ホテル・ルーム1

時には、朝にホテルにたどり着く一日を。

日本列島は、台風の通り道だ。
空模様が暗くなり、雨が、風が激しくなり、
やがて猛烈な勢いを周囲に振りまいて、ある時ふっと抜けてく。
その奇妙な高揚感を夜通し自動車の中で体感し、台風一過の朝を海辺で迎え、
そのあと、ホテルでたっぷり眠る、というのは
この島に生きる生活者にとっては最高の過ごし方かもしれない。
その時間を共に過ごした男女には、明日からまた別々の日々が始まる。

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