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Happy Holidays☆ 作家・片岡義男から小説を全員にプレゼント!

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作家・片岡義男から『片岡義男 全著作電子化計画』を応援してくださるみなさまへ、2016年の感謝の気持ちを込めて、12月9日よりボイジャーの直販ストアBinB store限定でショート・ストーリー「初雪より一日早く」全員にプレゼント

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初雪より一日早く
[BinB store限定]

「初雪より一日早く」は、角川文庫より1987年に刊行された「個人的な雑誌2」に収録されている、ショート・ストーリーです。「個人的な雑誌」シリーズは、これまでどおりの活字だけによる本ではなく、なにか新しい工夫をしてみたい、という思いを作家自らが具現化した雑誌のようなエッセイ集です。

1987年12月25日、クリスマス当日に書かれた「個人的な雑誌2」のあとがきをここにご紹介します。


あとがき(本文より)

今日は十二月二十五日だ。風がなく気温の高い、おだやかな快晴の日だ。午後三時二十分、 ぼくはなぜだか東京の銀座の、とあるコーヒー・ショップにいる。そしてこれを書いている。

一昨日、二十三日の午後には、東京湾の埋立て地のなかで友人たちと写真を撮っていた。その友人たちと、日比谷で夕食をとった。結婚したばかりの男性がひとりいて、次の日、つまりクリスマス・イブの夕食を妻とふたりで外で楽しむつもりでいるけれど、まだどこにも予約をとっていない、と彼は言った。

そんなのんきことでは、奥さんとのクリスマスの夕食の場は街道ぞいのドライヴ・インになってしまうよと心配したぼくたちは、思いつく順番にいろんな店へ次々に電話をかけてみた。どこも予約でいっぱいだった。次第にあわてはじめた彼を応援して、ぼくたちはさらに電話をかけ、思いがけずいい店に二人用の席を予約することができた。

昨日、二十四日の夜、ぼくは六人の人たちといっしょにタ食をとった。男性が三人、女性が四人だった。シャンペインもワインも、素敵な女性が白いきれいな手で、端正に注いでくれた。

ぼくは個人的には、たとえばクリスマス・プレゼントという言葉を使わないが、十二月二十四日だけに限って、ぼくの文庫は書店で無料になる、というようなアイディアを、いまひとりでぼんやり楽しんでいる。一冊を選んでキャシーアのところへ持っていったら、著者からのクリスマス・プレゼントですので今日だけは無料です、とその人は言われるのだ。ほんとにこんなことがあったら、すこしは楽しいだろうか。新刊を一年間ずっと買わずにいて、十二月二十四日に全点をただでもらう、という手も成立することだろう。

一九八七年十二月二十五日

片岡義男


約30年前の作家自身のアイディアが、クリスマス・プレゼントとしてかたちになりました!初雪より一日早くをどうぞお楽しみください!

This is a Christmas present from the author.
Happy happy holidays!!

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2016年12月9日 00:00|電子化計画