『あんな薄情なやつ』『なんのために生きるの』発売開始!

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本日、2タイトルを発売いたしました!タイトルは、『あんな薄情なやつ』と『なんのために生きるの』です。表紙デザインは、南アヤコさん。サポータの皆様は、サポータ本棚でお読みいただけます。ぜひ、この2作品をお楽しみください。


あんな薄情なやつ

『あんな薄情なやつ』
三人の男女によって語られる二人の男女の「薄情」が渦を巻いて、薄情の意味を曖昧にしていくような短編小説「あんな薄情なやつ」は、コーヒーを巡る物語でもあります。「東京を撮る」でも頻繁に登場する、どうやら片岡義男も好んでいるらしいエチオピアは、甘さと酸味のバランスが良いスッキリした味で、この物語の女性のように、ついお代りしたくなるような味わい。そして、もう一人の店主である玲子が淹れるコーヒーは「いちばんのお勧め」と書かれていて、どのような豆か分かりません。この対比が、思わずコーヒーを飲みたいと思わせます。エッセイでさえ味の描写をほとんどしない片岡作品に登場するコーヒーが魅力的に見える要因は、このようなテクニックにあるような気がします。(底本:『この冬の私はあの蜜柑だ』2015年/講談社)


なんのために生きるの

『なんのために生きるの』
女性による冷静な男性評というのは、よく研いだナイフのような切れ味で、だから、それを避けようとする男性の韜晦がより一層滑稽に見えます。片岡義男が2015年に書いた短編小説「なんのために生きるの」で描かれているのは、そういう男女の現在のリアルであり、好きな女性に対しての距離の取り方に突きつける「なんのために生きるの」という問いかけのようにも読めます。恋愛の持つ靭さを、結婚という言葉では越えられなくなってしまった時代の恋愛小説。それを、この短い中に描きつつ、「理想的な男と話してるような気のするときがある」と、男に花を持たせるようなセリフも書いているのが、なんとも見事。それをさらに「男はろくなことを言わないね」とひっくり返すのですから堪りません。(底本:『ジャックはここで飲んでいる』2016年/文藝春秋)

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